Focus on Animation | 文化庁メディア芸術祭メディア芸術海外展開事業

“COCOLORS” (2017)

『COCOLORS』制作チーム（代表:横嶋俊久）

延々と降り続く灰が、空と地上を覆ってしまった世界。人体を融解させるというバクテリアを含んだ、その有害な灰を吸い込まぬよう、人々は巨大なマスクと防護服で全身を覆い、地下深くに作られた街で暮らしていた。そんな世界に暮らす少年、アキとフユ。やがて外の世界の現実を知る時、成長した少年達は何を思うのか。

〈監督プロフィール〉

1980年生まれ。アニメーション監督。
2003年より神風動画に所属し、多数のCM・MV・ゲームムービーの演出を手がける。
2009年に初のオリジナル作品『アマナツ』を監督し、シュトゥットガルト国際フェスティバルで上映されるなど、世界中で多くの賞賛を受けた。
“COCOLORS”は、彼の経験から生まれた野心的な作品である。

“Candy.zip” (2017)

見里朝希

短編アニメーション [4分30秒]

平成29年度第21回/アニメーション部門審査委員会推薦作品

会社の資料を自信を持って仕上げても、社内で一向に評価されないアオコ。ある時、彼女が完成させた書類が同僚にすり替えてられている現場を目撃する。口封じに姿をキャンディーに変えられてしまったアオコは……。パソコンのファイルをキャンディーに見立て、諦めずに頑張っている人はいつか必ず評価されるというメッセージが込められた作品。

〈監督プロフィール〉

1992年東京都生まれ。2016年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。2018年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。

“Corp.” (2016)

Pablo POLLEDRI

短編アニメーション [9分]

平成29年度第21回/アニメーション部門審査委員会推薦作品

個人の手仕事から始まった会社が、分業化、増員、機械化、合併を通して大企業へと成長する過程を描いたショートフィルム。労働の搾取、環境汚染、人間らしさの退廃、余剰価値、汚職など、自由競争市場においては野心であっても、最後には制御不能な集合体となって社会に悪影響を与える。そのさまをシンプルな線画アニメーションで表現した作品。

〈監督プロフィール〉

Pablo Polledriは独立系映画製作者であり、創作の為には、あらゆるプロセスの実行を厭わないクリエイターである。彼が製作した多くのショート・フィルムは、世界中の多くのフェスティバルやイベントで上映され、いずれも高い評価を得ている。

“Sore Eyes for Infinity” (2016)

Elli VUORINEN

短編アニメーション [11分32秒]

平成29年度第21回/アニメーション部門審査委員会推薦作品

強い近眼の眼鏡技師の仕事場に、風変わりな客たちがやって来ては、顕微鏡や望遠鏡などの道具を持ち帰っていく。後に眼鏡技師は、彼らが道具を怪しげな用途に使っているのを目にしてしまう。色鮮やかなアニメーションで綴られるこの作品は、現実についていけないと感じたときの不安感、そして時にすべてから距離を置くことの必要性について問いかける。

〈監督プロフィール〉

Elli Vuorinenは、2011年にトゥルクアーツアカデミーのアニメーション学科を卒業。アニメーション業界で幅広く認知されているクリエイターで、その作品は世界中の200以上のフェスティバルで上映され、10以上のアワードを受賞している。