2月20日から3月9日まで、韓国の首都ソウル市の「Total Museum of Contemporary Art」で「Daily Reflections」(デイリー・リフレクションズ=「日常の反射」)と題した企画展を開催し、日韓の作家による作品を通じて、メディア芸術にある現代性と普遍性を紹介します。
■ 文化庁海外メディア芸術祭参加事業企画展「Daily Reflections」(展示、上映、関連イベント)
会 場: Total Museum of Contemporary Art 465-16 ソウル市鍾路区平倉洞110-848
開催地: 韓国・ソウル市
会 期: 2014年2月20日(木)〜3月9日(日) 11:00〜18:00
入場料: 無料
主 催: 文化庁
共 催: Total Museum of Contemporary Art
企画ディレクター: 植田 憲司(高知県立美術館)
Nathalie Boseul Shin (Total Museum of Contemporary Art)
Total Museum of Contemporary Artは、1976年にオープンスペース「Total Sculpture Park」としてオープンし、1988年には韓国初の私立美術館として政府に認証されました。現代アートの企画展示を基盤としながら「地域の文化意識の向上」を目的に、多彩なジャンルの芸術文化を受け入れる総合文化空間として、音楽会やパフォーマンス、講演会など、質の高い芸術文化に触れる機会を提供しています。
企画テーマ:「Daily Reflections」(日常の反射)について 企画ディレクター 植田 憲司
「鏡」は模倣や反復といった概念にもつながる言葉である。美術史上だけでなく文化史上、たびたび出現する普遍的な概念である。水無瀬翔の『I/F』、ウォンビンの『species series』はまさに模倣をキーワードにしているし、松島俊介の『Voice Portrait』は模倣でもあり、鏡と結びつけられるセルフポートレートとも言える。もうひとつのキーワードは、「運動あるいは静止」である。平川祐樹の『Frozen Leaf』は静止の中にある運動と言えるのではないだろうか。これもまた、普遍的かつ哲学的な問題である。 一方、ナタリーは『ソーシャルヒッチハイク』や『Google Maps 8-bit』などソーシャル・メディアの台頭とそれらを利用した作品を多く提案していた。彼女はキーワードとして「社会の鏡」(Reflection of Society)という言葉を続けてくれた。私の提案の「鏡」(Mirror)に対して反射や反省を意味するReflectionという言葉を選んだのだ。それに応えて私はGoogle Street Viewを使った田村友一郎の『NIGHT LESS』を提案することにした。 この展覧会では、現代の社会を象徴するテーマ(ソーシャル・メディア)と、昔からかわらず続く普遍的なテーマ(鏡や時間)が交錯することを期待したい。そして、最後まで決まらなかった展覧会のタイトルは、紆余曲折があったが、「日常の反射」(Daily Reflections)とすることにした。日常の中に潜む「反射」や「内省」といったものをテーマに据えた私の提案と、私たちが生きる現代社会の「反射体=鏡」といったテーマを据えたナタリーの提案、その両方を同時に指し示す言葉、「日常の反射」をタイトルとして選んだ。
■展示作品一覧(予定)
■関連イベント
プレゼンテーション「Media Arts in Japan」
本企画展の企画ディレクター、植田憲司が近年の日本のメディアアートシーンを紹介します。
出演:植田 憲司 (高知県立美術館学芸員)
会期:2月20日(木)16:00―18:00
定員:20名
アーティストトーク「Brunch with Artists」
本企画展に参加している韓国人作家による、アーテイストトーク。展覧会期中の各土曜日に開催。
日時:2月22日(土)/3月1日(土)/3月8日(土)12:00―14:00
出演:Bang & Lee (2月22日)/ HYBE(3月1日)/ LEE Zune(3月8日)
定員:20名
コラボレーションプロジェクト 「BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW 2014 in SEOUL」
韓国の映像作家が参加し、会期中に映像作品を制作。 完成した作品は、最終日に特別上映会を実施し、公式サイトにて公開予定。
講師:前田 真二郎 (SOL CHORD) + セオ・ヒョジョン
会期:2月27日(木)/3月2日(日)
定員:10名
公開デモンストレーション「nubot体験」
新しいコミュニケーションツール「nubot」を実際に使い、ソウルと東京を繋ぐビデオチャットを実施する。距離を感じない会話やアクションを実際に来場者が体験する。
出演:上妻 世海 (nuuo)
日時:2月20日(木)18:30―19:00 *随時デモンストレーションを実施
■プログラム上映
第16回文化庁メディア芸術祭受賞作品〜映像プログラム〜(120分)