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「Lucca Comics and Games 2014」企画展「〈日常〉を少しだけズラす―Riflessi di realtà―」

2014.10.2

イタリア・ルッカ市で開催されるフェスティバル「Lucca Comics and Games (ルッカ・コミックス・アンド・ゲームズ)2014」に参加し、10月18日(土)から11月2日(日)まで企画展「〈日常〉を少しだけズラす―Riflessi di realtà―」を開催します。

文化庁海外メディア芸術祭等参加事業 企画展
〈日常〉を少しだけズラすRiflessi di realtà
会期:2014年10月18日(土)〜11月2日(日)9:00〜19:00
会場:パラッツォ・ドゥカーレ(Palazzo Ducale – Piazza Napoleone, 1, Lucca, Italy
※ 「Lucca Comics and Games 2014」のフェスティバル会期10/30〜11/2のみ閉館時間を延長
入場料:無料
*フェスティバルへの入場にはフェスティバルパスが必要です。本企画展の入場にパスは必要ありません。 

主催:文化庁
共催:Lucca Comics and Games
企画ディレクター:伊藤 遊(京都精華大学国際マンガ研究センター研究員)
事業アドバイザー:
吉岡 洋(京都大学大学院文学研究科教授/美学・芸術学)
毛利 嘉孝(東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科准教授/社会学)

 

展示テーマとプランについて
企画ディレクター 伊藤 遊(京都精華大学国際マンガ研究センター)

日本において、マンガやアニメーションは、一般的には、芸術というよりもエンターテインメント性を帯びた商品とみなされています。しかも、それらは、ごはんを食べたり、お風呂に入ったりするのと同じような〈日常〉の行為の中で消費されているものです。実際、日本では、マンガ本がレストランに置いてあることは普通ですし、お風呂やトイレに入りながら読まれるということもしばしばあります。
一方、特に2000年代以降の日本において、現代美術の世界では、〈日常〉というものが、多くの作家たちのテーマになってきました。彼ら/彼女らは、日常品にちょっとだけ手を加えるなどした作品で、私たちの〈日常〉を少しだけズラして眺めるための批評的な視点を与え続けています。
つまり、現代は、マンガやアニメーションといった娯楽と、アートの世界が、〈日常〉というキーワードにおいて接近している時代と言えます。
っとも、「メディア芸術」という概念が提出されることの意義は、それらを並列しただけでなく、昨今の現代美術が持っている〈日常を少しだけズラす〉という視点を、当の〈日常〉の中で行う可能性も示唆しているからです。
本展の目的のひとつは、単なる娯楽商品だと思われているマンガやアニメーション、ゲームといったポピュラーカルチャーを、〈日常〉を少しだけズラしてみるための批評ツールになり得ると認識していただくことです。そして、そうしたツールが、美術館や難しい哲学書の中ではなく、私たちの〈日常〉の中にあふれているということを知ってもらえたらと思っています。
ここでは、私たちに「〈日常〉を少しだけズラす」という視点を与えてくれる刺激的なマンガ作品および映像、アニメーション作品―荒木飛呂彦『ジョジョリオン』、湯浅政明『四畳半神話大系』、久野遥子『Airy Me』、SHINCHIKAJSCO』/『H2Orzx』/『山のみち』―を紹介することで、そのことを考えてみたいと思います。

伊藤 遊/ITO Yu
京都精華大学国際マンガ研究センター研究員
1974年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専門はマンガ研究・民俗学。マンガ研究のテーマは「マンガとミュージアム」、民俗学のテーマは「路上観察学」の元祖「考現学(こうげんがく)」の方法論研究。現在は、京都精華大学国際マンガ研究センター研究員として、京都国際マンガミュージアムなどで数多くのマンガ展の制作に関わる。共著に『マンガミュージアムへ行こう』 (岩波書店、2014年)、『妖怪画の系譜』(河出書房新社、2009年)など。担当したマンガ展に「赤塚不二夫マンガ大学展」(2011年)、「土田世紀全原画展」(2014年)など。