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JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL

海外メディア芸術祭等参加事業日本のメディア芸術を、世界へ。

上映プログラム

Beyond the Technology―デジタル技術を越えて


デジタル技術は進化を続け、それを駆使した表現は現代の豊かな“多様性”を実感させます。本プログラムでは、作家の感性と、現代において共有されている想像力を映し出す11点の作品を紹介します。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
WORLD ORDER in BUDOKAN

WORLD ORDER (日本)

第17回エンターテイメント部門審査委員会推薦作品 2分23秒
ライブパフォーマンス、映像作品

2013年4月に日本武道館で行われたWORLD ORDERによるライブパフォーマンス。約1万人の観客に90分にわたって披露された。360度全方位に向けた演出は数多くのクリエイティブな効果によって生み出されている。正確無比に繰り広げられるダンスに音楽、照明、映像が入り交じり同調していくステージが話題を呼んだ。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
TOKYO CITY SYMPHONY

大八木 翼/馬場 鑑平/TAKCOM/三浦 康嗣/渡邊 敬之/前田 定則/橋本 俊行/寺井 弘典/加島 貴彦 (日本)

第17回 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品3分13秒
ウェブサイト、メディアインスタレーション

東京の街並みを再現した1,000分の1サイズに縮小した都市模型に、ユーザーが自由に3Dプロジェクションマッピングを投影できるウェブサイト。美しい音とともに用意された未来やロック、花鳥風月などの多様な都市のモチーフが、パソコンのキーボードに割り当てられ、参加者はタイピングすることで、演奏を楽しむことができる。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
Flat Logic – The Book

Jan CHLUP (チェコ共和国)

第18回 アート部門 審査委員会推薦作品 1分23秒
映像作品

3Dアニメーションで表現された「本」に動く絵画(映像)を映し出すことで、本というメディアの性質に焦点を当てた作品。異なる視点から捉えた、ある部屋の風景が本のページに投影されている。ページが前後にめくられることで言葉のない物語が展開し、更に映し出される絵画の中での変化が時間の経過を際立たせている。意味、解釈、時間と空間の関係を探る作品である。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
やけのはら 「RELAXIN’」

最後の手段(有坂 亜由夢/おいた まい/コハタ レン) (日本)

第17回 エンターテイメント部門 新人賞 5分10秒
ミュージックビデオ

やけのはらによる楽曲「RELAXINʼ」のミュージックビデオ。部屋の中に置かれた物をコマ撮りによって動かしながら、映像ユニット「最後の手段」ならではのノスタルジックな手描きアニメーションが挿入される。部屋には住人独自の世界があり、それぞれの時間の流れがある。そこにある物は一つひとつに記憶や時間、空気を持っており、その大量の記憶の中に、住人をかたどる皮膜がある。本作には、その宇宙的な空間の中で共通するひとつの流れ、波、風をつくり、常に変化し円環していく時間を表現したいというテーマとメッセージが込められている。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
トラヴィス「ムーヴィング」

Tom WRIGGLESWORTH / Matt ROBINSON (英国)

第17回 エンターテイメント部門 優秀賞 4分28秒
ミュージックビデオ

イギリスのバンド「トラヴィス」のシングル「ムーヴィング」のミュージックビデオ。
息が白く見える低い気温の中で、バンドメンバーが歌う息に、プロジェクターでアニメーションを投影し、撮影されている。
彼らの初期作品「Love is in the Air」で試みた技術を応用した、特殊技術を使わないカメラの撮影というアナログな手法で、ヴィジュアル・エフェクトのような効果を生み出すことに成功している。
アニメーションは、それぞれのバージョンで息をしては微調整を繰り返し、最も鮮明な映像を求めて何百ものバリエーションを試作しながら数週間かけてじっくりと作成された。本作の撮影は、人工的に氷点下にまで冷やされたスタジオの中で複数のプロジェクターを用いて行い、そこにはバンドメンバーを暖めるためのたっぷりの熱いお茶も用意されたという。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
Z-MACHINES

Z-MACHINES プロジェクト (日本)

第17回 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品5分20秒
ロボット、ライブパフォーマンス

本作は、BPM1000を超える速弾きや、22個のドラムを同時に演奏する超絶的な演奏能力を持つ、「未来のパーティ体験」をコンセプトに作られたロボット3体からなるバンド。スクエアプレッシャーなど国内外の著名アーティストとコラボレーション、多数のライブに出演している。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
水道橋重工「KURATAS」

倉田 光吾郎/吉崎 航(日本)

第16回 エンターテイメント部門 優秀賞 3分5秒
ロボット

「KURATAS」プロジェクトは、「巨大ロボに乗りたいけれど、どうやら誰もつくってくれない、そしたら自分でつくろうかな」という、アーティスト倉田光吾郎の純粋な動機から2010年6月より始動。途中、ロボット制御エンジニアの吉崎航がプロジェクトに加わり、約2年間の製作期間を経て、2012年7月29日に幕張メッセで行なわれたワンダーフェスティバル2012[夏]において、数千人の観客の前で披露。成功を収め、国内外のメディアやSNS等で多大な反響を得る。高さ4m、重さ4tの巨大ロボット「KURATAS」は、人間がコックピットに搭乗し、操縦できるのが特徴で、腕や上半身を自在に動かし、走行も可能。現在「KURATAS」の量産化を目指しブラッシュアップに取り組んでいる。


JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL
Power of Optics

小林 達行 (日本)

第18回 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品 2分
映像作品

本作は、光の力を直感的に感じてもらうことを意図し、光の力で動く「Rube Goldberg Machine(からくりを多数用いて最後に何らかの作業を行う装置)」を制作し、撮影を行った。装置内では、紙を燃やす、風船を割る、マッチに火をつける、氷を溶かすといった行為が、光学的なエネルギーによって引き起こされ連鎖するよう設計されている。


OK Go I Won't Let You Down
OK Go "I Won't Let You Down"

原野 守弘/Damian KULASH, Jr./関 和亮/西田 淳/振付稼業 air:man (日本)

第19回 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品5分20秒
ミュージックビデオ

米国のロックバンド、OK Goのミュージックビデオ。体重移動によって全方位に移動できる乗り物UNI-CUBを使って行なわれたダンスパフォーマンスをさまざまな視点から撮影している。地上でのアイレベルの映像から、総勢2,400人によるダンスを上空700mからの俯瞰映像まで、一度もカメラを止めないワンカットでの撮影は、最新技術であるドローンによって可能となっている。


YASKAWA BUSHIDO PROJECT / industrial robot vs sword master
YASKAWA BUSHIDO PROJECT / industrial robot vs sword master

『YASKAWA BUSHIDO PROJECT』制作チーム (代表:阿部 光史)(日本)

第19回 エンターテイメント部門 審査委員会推薦作品4分55秒
映像作品

5つの世界記録を保持する町井勲の剣技を3D解析し、産業用ロボット「MOTOMAN-MH24」を用いて忠実に再現した作品。日本文化が育んできた高度な技をロボットが継承していくことをテーマに、人の身体を使ったパフォーマンスをロボット技術に落としこんだ。精度の追求だけでなく武士道が大切にしてきた礼節や相手を思いやる心まで表現することを試みている。


group_inou [EYE]
group_inou [EYE]

橋本 麦/ノガミ カツキ(日本)

第19回 エンターテイメント部門 新人賞3分32秒
ミュージックビデオ

Google Street ViewTM上の画像を繋ぎあわせ、その上をgroupinouの2人が駆け抜けるミュージックビデオ。世界中で撮影された膨大な量の画像をもとに、インターネット上に再構築された「視点」の連続をキャプチャーして映像化している。本曲が収められたgroupinouのアルバム『MAP』にちなんだこの作品は、数々のデジタル・ツールを駆使して徹底的に効率化する過程と、一コマずつ緻密につくりこむ過程の両方によって制作されている。また、制作方法やそのツールはすべてオープンソース化し公開している。シンプルなアイデアながら、テクノロジーの流行や時代性に依存しない、作者の熱量の感じられる映像作品となっている。