- 企画展&上映&レセプション&トークイベント
アヌシー国際アニメーションフェスティバル 2019
「アヌシー国際アニメーション映画祭2019」について
アニメーション映画祭として、世界最大級にして最高の権威を誇るアヌシー国際アニメーション映画祭が今年もフランス・アヌシー市にて開催されました(会期:6月10日(月)〜6月15日(土))。同映画祭においては過去、宮崎駿監督や高畑勲監督が最高賞を受賞、近年では湯浅政明監督が『夜明け告げるルーのうた』(2017年)でグランプリ、片渕須直監督が『この世界の片隅に』(2017年)で審査員賞を受賞するなど日本でも大きな話題となっています。
年々盛り上がりを増す本映画祭には、アニメーション見本市であるMIFAも併催されており、映画祭同様に注目が集まっています。日本はこれまで、メディア芸術海外展開事業(文化庁事業)として映画祭及びMIFAに、Animation Tokyo(東京都事業)としてMIFAに参加してきました。そして今年、毎年1か国に焦点を当て、その国のアニメーション文化を紹介する「名誉国」に20年ぶりに日本が選ばれ、
世界中からクリエーターやプロダクション、バイヤー、ディストリビューターが集まるアヌシーで、日本のアニメーションの最新の動きを産学官連携して伝えることができました。
企画テーマ
「人」今後のアニメーション界を担う期待のクリエーターを世界へ
日本で活躍する30名以上もの新進気鋭のクリエーターたちを世界へ向けて紹介します。
「技術」テクノロジーを活用したアニメーションの次のスタイルを提案
ARやVR、AI*など、クリエーター×テクノロジーによる新しい表現。
アニメーションの近未来を世界にみせます。
*AR=拡張現実 VR=バーチャルリアリティ AI=人工知能
企画主催 | 文化庁 東京都 |
---|---|
総合ディレクター | 岡本美津子(東京藝術大学 副学長) |
協賛 | 凸版印刷株式会社 チョーヤ梅酒株式会社 |
協力 | 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本 CITIA アヌシー城 東京藝術大学COI拠点 / 東京藝術大学大学院映像研究科 公益財団法人ユニジャパン 一般社団法人日本動画協会 |
企画ラインナップ
NEW MOTION Creator’s File 2019
次世代を担う若手クリエーター<26名>
NEW MOTION Creator’s File2019 (ブックレット)へ登録。
登録されたクリエーターの作品を中心に上映と展示を構成します。
近藤聡乃
“てんとう虫のおとむらい”
(短編)
Music copyright©CHIKU Toshiaki, ©Akino Kondoh, Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery
牧野惇
“戯言スピーカー(Sasanomaly)”
(ミュージックビデオ)
©Sony Music Associated Records / Rainbow Entertainment
橋本麦
“imai / Fly feat. 79(Kaho NAKAMURA)”
(短編)
©2017 evening tracks
柴田大平
“ガマンぎりぎりライン
(NHK「デザインあ」)”
(テレビ)
©NHK
ユーフラテス(石川将也)+阿部舜
“Layers Act”
(短編)
©EUPHRATES, 2018 created for Exhibition “AUDIO ARCHITECTURE” at 21_21 DESIGN SIGHT, 2018 Music CORNELIUS “AUDIO ARCHITECTURE" composed by Keigo Oyamada, Lyrics by Yugo Nakamura
内海紘子
“BANANA FISH”
(テレビ)
©Akimi Yoshida, Shogakukan / Project BANANA FISH
小林寛
“ひそねとまそたん”
(テレビ)
JMAF 第22回 アニメーション部門 / 優秀賞
©2018 BONES, Shinji HIGUCHI, Mari OKADA / DRAGON PILOT
大西景太
“ロックン・ロール・マーチ / 大滝詠一”
(ミュージックビデオ)
©ONISHI, Keita
吉田健一
“ガンダム Gのレコンギスタ”
(テレビ)
©SOTSU/SUNRISE
押山清高
“スペース☆ダンディ「ビッグフィッシュはでっかいじゃんよ」”
(短編)
©2014 BONES / Project SPACE DANDY
佐藤広大
“えんぎもん”
(短編)
©STUDIO NANAHOSHI
平岡政展
“L’CEil du Cyclone”
(短編)
JMAF 第20回 アニメーション部門 / 審査委員会推薦作品
©2015 MasanobuHiraoka
新井伸浩
”映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」”
(長編)
©2018 Kafka ASAGIRI, Sango HARUKAWA / KADOKAWA / Bungo StrayDogs DA Partners
ひらのりょう
“パラダイス”
(短編)
©Ryo Hirano / FOGHORN
折笠良
“われわれの部屋”
(短編)
©Ryo Orikasa
薄羽涼彌
“見なれぬものたち”
(短編)
©Ryoya USUHA
坂本サク
“アラーニェの虫籠”
(長編)
©Saku Sakamoto / zelicofilm,LLC
Sarina NIHEI
“Rabbit’s Blood”
(短編)
©Sarina Nihei
冠木佐和子
“えーん”
(短編)
©Sawako Kabuki
Tao TAJIMA
“Rayons ft. Predawn - Waxing Moon”
(ミュージックビデオ)
©2015 Tao Tajima / music by Rayons
中武哲也
“進撃の巨人 Season 3 Part.2”
(テレビ)
©Hajime Isayama, Kodansha / "ATTACK ON TITAN" Production Committee. All Rights reserved
矢萩利幸
“ペルソナ5(PERSONA5)”
(ゲーム内アニメ)
©ATLUS ©SEGA All rights reserved.
久野遥子
“Airy Me”
(短編)
JMAF 第17回 アニメーション部門 / 新人賞
©2013 Kuno Yoko All Rights Reserved.
水尻自子
“幕”
(短編)
©Yoriko Mizushiri
板津匡覧
“みつあみの神様”
(短編)
JMAF 第20回 アニメーション部門 / 審査委員会推薦作品
©2015 Machiko Kyo / SHUEISHA, ITSV
金子雄司
“キルラキル” ※美術監督
(テレビ)
JMAF 第18回 アニメーション部門 / 審査委員会推薦作品
©TRIGGER, Kazuki Nakashima / Kill la Kill Partnership
【選定委員】
岡本美津子・山村浩二・土居伸彰・川村真司・石川光久・瀬谷新二・南雅彦 *敬称略
フェスティバル公式上映
NEW MOTION -Short Films-
監督の他、アニメーターや作画監督を紹介するプログラム。
アニメーションの表現の可能性を開拓する、次世代クリエーターたちの作品を紹介。
独自の表現、新しいアイデアなどを持った実験的、野心的作品を作るクリエーターで構成しています。
-
1ひらのりょう“パラダイス”
-
2冠木佐和子“えーん”
-
3Tao TAJIMA“Rayons ft. Predawn - Waxing Moon”
-
4折笠良“われわれの部屋”
-
5水尻自子“幕”
-
6Sarina NIHEI“Rabbit’s Blood”
-
7ユーフラテス(石川将也)+阿部舜“Layers Act”
-
8平岡政展“L’CEil du Cyclone”
-
9薄羽涼彌“見なれぬものたち”
-
10牧野惇“戯言スピーカー(Sasanomaly)”
-
11近藤聡乃“てんとう虫のおとむらい”
-
12大西景太“ロックン・ロール・マーチ / 大滝詠一”
日時 | 6月10日(月)13:30〜15:00 / 6月13日(木)10:30〜12:00 |
---|---|
会場 | Pathé 4 |
登壇者 |
折笠良・Sarina NIHEI・近藤聡乃 <6月10日> 折笠良・阿部舜・薄羽涼彌・大西景太 <6月13日> ※登壇者は予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください。 |
NEW MOTION 次世代のリーダーたち
テレビシリーズを中心に、その監督を紹介するプログラム。
日本のアニメーションの将来を担うアニメーション監督とその作品を紹介。それぞれ独自の表現で、新しいチャレンジを行っています。
-
1押山清高“スペース☆ダンディ「ビッグフィッシュはでっかいじゃんよ」”
-
2内海紘子“BANANA FISH”
-
3小林寛“ひそねとまそたん”
-
4板津匡覧“みつあみの神様”
日時 | 6月12日(水)14:30〜16:10 / 6月15日(土)18:30〜20:10 |
---|---|
会場 | Pathé 3 <6月12日> / Pathé 4 < 6月15日> |
登壇者 |
内海紘子・小林寛 <6月12日> 押山清高 <6月15日> ※登壇者は予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください。 |
和田淳 特集
独自の世界を持つ、和田淳監督のアニメーション作品を上映。和田淳の舞台挨拶も行います。
- 1“係”
- 2“鼻の日”
- 3“声が出てきた人”
- 4“そういう眼鏡”
- 5“わからないブタ”
- 6“春のしくみ”
- 7“グレートラビット”
- 8“Anomalies”
- 9“秋 アントニオ・ヴィヴァルディ「四季」より”
- 10“委託作品集”
日時 | 6月10日(月)10:30〜12:00 / 6月11日(火)21:00〜22:30 ※舞台挨拶 |
---|---|
会場 | Pathé 4 |
登壇者 |
和田淳 <6月11日> ※登壇者は予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください。 |
“秋 アントニオ・ヴィヴァルディ「四季」より”
©2018 / Tokyo University of the Arts
“わからないブタ”
©2010 Atsushi Wada / Tokyo University of the Arts
あにめたまご
日本の若手アニメーター育成プログラム。2018年および最新作2019年から3作品を上映します。
日時 | 6月13日(木)14:30〜16:00 ※舞台挨拶 / 6月15日(土)13:30〜15:00 |
---|---|
会場 | Pathé 3 <6月13日> / Pathé 4 <6月15日> |
登壇者 |
佐藤広大 <6月13日> ※登壇者は予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください。 |
“えんぎもん”(2018)
©スタジオななほし
“Hello WeGo!”(2019)
©小林和史/益山亮司/WIT STUDIO
“チャックシメゾウ”(2019)
©日本アニメーション
@アヌシー城 日本主催上映
アヌシー城でライブアニメーションコンサートや野外上映を行います。
ヴィヴァルディ「四季」ライブアニメーションコンサート(協力:東京藝術大学COI拠点 / 東京藝術大学大学院映像研究科)
アンナ・ブダノヴァ、プリート&オルガ・パルン、和田淳、テオドル・ウシェフの4人の監督によるアニメーションとオーケストラ生演奏とのコラボレーションコンサート。NEW MOTIONとしてアニメーションの新しい楽しみ方を提案します。
ヤマハ株式会社と東京藝術大学が産学連携により開発した、”AIが映像を生演奏に合わせる世界初の技術”を使用し、今年1月にロサンゼルスで開催したコンサートに続く”フランスプレミア”となります。
日時 | 6月11日(火)19:00〜20:30 |
---|---|
会場 | アヌシー城 La grande salle |
料金 | 無料 |
定員 | 250名 |
監督 |
「春」アンナ・ブダノヴァ(ロシア) 「夏」プリート&オルガ・パルン(エストニア) 「秋」和田淳(日本) 「冬」テオドル・ウシェフ(カナダ) |
監修 | 山村浩二 |
解説 | 岡本美津子/和田淳 |
©Musées d'Annecy
©Tokyo University of the Arts
Main Visual : Koji YAMAMURA
©Tokyo University of the Arts
「ルパン三世 - カリオストロの城」 野外上映
世界中で愛される名作をアヌシー城で野外上映します。
本作は今年1月に初めてフランスで劇場公開され、フランスの大手紙「ル・モンド」に「一種の理想的なエンターテイメントを実現している」と称賛されました。
監督: 宮崎駿
日時 | 6月10日(月)22:00〜23:50 |
---|---|
会場 | アヌシー城 Place du Château |
料金 | 無料 |
*椅子やビニールシートを持参し、思い思いのスタイルで楽しむのがアヌシー城の野外上映。子供から大人まで気軽に参加できます。
©Monkey Punch All Rights Reserved. ©TMS All Rights Reserved.
©Musées d'Annecy
MIFA(見本市)ジャパンパビリオン
NEW MOTION作家の映像展示のほか、ARやVR、ゲームなどアニメーションの次の表現、また次世代を担うプロダクションを紹介。
日本を代表する作家の新作も展示します。
New Motion クリエーター作品
モニター展示上映 <26名>
Animation Tokyo 次世代を担う東京のプロダクション
東京都の施策「Animaion Tokyo」へ参加した都内中小企業などを紹介。世界との共同製作やマーケット進出にむけて存在を発信します。
『アニメNEXT_100』展示上映
日本のアニメーション100周年記念として制作された、日本のアニメ史を代表する122作品からなる「『アニメNEXT_100』スペシャルムービー」を展示上映。日本のアニメーションの歴史を紹介します。
©2017 Anime NEXT_100 Project
『メディア芸術祭から世界へ羽ばたいた監督』紹介展示
文化庁メディア芸術祭で受賞し、世界を舞台に活躍する監督たちを紹介します。
新海誠
2002年 個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。その後、『雲のむこう、約束の場所』(2004)、『秒速5センチメートル』(2007)、『星を追う子ども』(2011)が公開、『言の葉の庭』(2013)では、ドイツのシュトゥットガルト国際アニメーション映画祭にて長編アニメーション部門グランプリ受賞。『君の名は。』(2016)は、アニメ史に残る世界的な大ヒットを記録した。現在、最新作『天気の子』(2019)の公開が控えている。
新海誠の作品群から、AR三兄弟がデジタル標本を採取。メインプレートにデータタグを置くことで、球体のスクリーンに該当の名シーンが蘇るという再生装置を開発し、展示する。
AR(Augmented Reality)と呼ばれる要素技術を概念として広く捉え、現実の余白を拡張することを目的として活動する日本を代表する開発ユニット。ソフトウェア開発から空間デザイン、コント番組、パリコレの演出など、作品ジャンルは多岐に渡る。新海誠監督とは、六本木で展示した『星にタッチパネル劇場』、廈門で展示した『雲の形をした映画の栞』に続いて、三度目のコラボレーションとなる。
湯浅政明
『マインド・ゲーム』(2004)で監督デビュー。2013年に株式会社サイエンスSARUを設立。2017年に公開された『夜は短し歩けよ乙女』では、オタワ国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ、日本アカデミー賞アニメーション部門最優秀賞などを受賞。同年公開の『夜明け告げるルーのうた』は、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門クリスタル賞など数々の賞に輝く。またNetflixにて世界同時配信となった『DEVILMAN crybaby』(2018)を手掛けたのち、今年、映画『きみと、波にのれたら』が日本公開。現在制作中の作品に『SUPER SHIRO』、『映像研には手を出すな!』などがある。
日本公開を6月21日に控えた最新作『きみと、波にのれたら』を中心に、現在制作中『SUPERSHIRO』、『映像研には手を出すな!』の作品制作にフォーカスをあてた展示を行う。
湯浅自身が企画・原案を手掛けたオリジナル長編映画。亡くなった恋人が、歌をきっかけに水になって現れるという独創的なラブストーリーとなる本作は、今年のアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門にもノミネートされています。
和田淳
1980年兵庫県生。2002年頃から独学でアニメーションを制作しはじめ、「間」と「気持ちいい動き」を大きなテーマに制作を続けている。『わからないブタ』(2010)がファントーシュ国際アニメーション映画祭でBest film、文化庁メディア芸術祭で優秀賞等国内外の映画祭で受賞。『春のしくみ』(2010)がベネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、『グレートラビット』(2012)がベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞する。
文化庁のメディア芸術クリエーター育成支援事業による助成をうけ制作した短編アニメーションシリーズ『いきものさん』。そのうちの1エピソードから派生したゲームプロジェクト『マイエクササイズ』。ただひたすら腹筋をするゲームで、腹筋の回数やタイミングでさまざまなイベントが起こる。
ある沼を舞台にネコやコビト、コイや女装したおじさんなどのそれぞれの営みを映し、切り取った3分27秒の映像インスタレーション作品。
VR展示(凸版印刷株式会社)
新人クリエーターKAORUとコラボレーションしたアニメーションVRを新規制作。
MIFAで発表します。
©2019 KAORU/TOPPAN PRINTING CO., LTD.
第22回 文化庁メディア芸術祭 エンターテイメント部門 大賞受賞
「チコちゃんに叱られる!」
最新技術で誕生した、バーチャルでリアルな「チコちゃん」のCGアニメーションを紹介します(テレビ番組)。
©NHK
PROJECT A to G -アニメーションからゲームを作るプロジェクト-
アニメーション作品をベースにゲームを作成。アニメーションの次の表現として紹介します。
小光
“here AND there”(2018)
©Komitsu / Tokyo University of the Arts Graduate School of Film and New Media
谷耀介
“怪獣縁起”(2018)
©2018 Yosuke TANI / Tokyo University of the Arts Graduate School of Film and New Media
薄羽涼彌
“見なれぬ儀式”(2018)
©Ryoya Usuha / Tokyo University of the Arts Graduate School of Film and New Media
リクルーティングカウンター
日本企業に就職を希望する外国人学生に向けカウンターを設置し、希望の企業へつなぐほか、アンケートデータをまとめ、次年度以降の活動に活用します。日本のアニメ制作現場のグローバル化に繋ぎます。
商談スペース
ブースを持っていない日本企業も使える商談スペースを設け、初めてMIFAに参加する企業も活動しやすい環境を整えます。
Animation Tokyoとは (東京発「クールジャパン」の推進 都内アニメーション産業の国際展開推進事業)
東京都は、東京の中小企業振興の一環として、東京発「クールジャパン」を世界へ発信・浸透させ、都内アニメーション産業の振興を図るため、海外へのビジネス展開を志す東京のアニメーション制作会社等を対象に、海外展開に必要なスキル等を競うコンテストの開催や、国際アニメーション見本市MIFAへの出展等を支援しています。
日本が名誉国となるアヌシー2019においては、出展やビジネスマッチング等に加え、これまでの参加事業者についても情報発信を行い、次世代を担う優れたアニメーション事業者の海外展開の促進を図ります。
主催:東京都
MIFA CAMPUS
日本のトップクリエーターが、スキルを持った学生や若いアーティストへ向けて、技術や将来のキャリアを作るためのノウハウを講義します。講師として日本を代表するアニメーター押山清高が登壇します。
日時 | 6月11日(火)9:00〜11:00 |
---|---|
会場 | Impérial Palace Verdi |
登壇者 | 押山清高(アニメーター) |
テーマ | 押山清高の作画添削教室 Break the Rules |
©DURIAN Inc.
Animation Boot Camp in Annecy 2019文化庁メディア芸術連携促進事業(協力:東京藝術大学大学院映像研究科)
日本のトップアニメーターによる作画ワークショップ。フランスの学生を対象に基礎的で最も重要な技術を日本独自のカリキュラムで教えます。
日時 | 6月12日(水)10:00〜18:00 |
---|---|
会場 | Les Papeteries |
講師 | 押山清高、りょーちも、板津匡覧 |
受講者 | フランスの学生 22名 |
Masterclass
Japan, the New Generation
大西景太、押山清高、折笠良、Sarina NIHEI の4人のクリエーターが、彼らが受けた影響や日本での短編アニメーション制作環境、将来の展望について語ります。
日時 | 6月14日(金)16:30〜17:45 |
---|---|
会場 | Bonlieu Petite salle |
登壇者 | 大西景太、押山清高、折笠良、Sarina NIHEI |
Main Visual 紹介
近藤聡乃(こんどうあきの)
【Profile】
1980年千葉県生まれ。2003年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。2008年よりニューヨーク在住。漫画、アニメーション、油絵などその表現方法は多岐にわたる。
「NEW MOTION -the Next of Japanese Animation-」のメインビジュアルとして近藤聡乃氏「月の花 vol.4 背後の気配」を採用いたしました。
街中を彩るポスターやフラッグ、大型看板、ラッピングバスへデザインされ、アヌシー2019を日本カラーに染めます。
アートディレクション&デザイン:GK Graphics
©Akino Kondoh, Courtesy of the artist and Mizuma Art Gallery
「アヌシー国際アニメーション映画祭」とは
毎年6月にフランスの都市アヌシーで開催する、世界最大規模のアニメーション映画祭。ASIFA(International Animated Film Association / 国際アニメーション映画協会)公認。登録パスは1980年代が約450、1990年代には約5,000、2017年は10,000を突破。
1960年 | 「カンヌ国際映画祭」からアニメーション部門を独立させる形で創設 |
---|---|
1965年〜1975年 | 短編映画のみを対象にした隔年開催 |
1985年 |
アニメーション国際見本市「MIFA」を併設 テレビシリーズのアニメーション部門、CM用の映像部門を開設 |
1997年 | 隔年開催から毎年開催へ |
1999年 | 初代名誉国として日本が選ばれる |
2017年 | 登録パス1万人を突破 |
「MIFA」とは
世界最大のアニメーション国際見本市。「アヌシー国際アニメーション映画祭」に併設して開催。アニメーションビジネスの関係者が参加し、作品の共同開発や資金調達、配給権の売買、ネットワーキングや情報交換などが行われる。
レポート
2019年6月10日(月)~15日(土)アヌシー国際アニメーション映画祭がフランス・アヌシーで開催されました。
今年は92カ国からフェスティバルへ参加があり、アクレディテーションの登録者数12,300人、 そのうちMIFA出展914社、海外からのバイヤー433人 、ジャーナリスト414人の参加でした。
432 本のアニメーション映画が上映され、会期を通して120,000人分のチケットが販売されています。
今年は日本が20年ぶりに名誉国に選ばれ、様々な上映やイベント、展示が実施されました。フェスティバルからはコンペティションの公式審査員として、国際的に活躍し作品「頭山」がアヌシーでグランプリに輝いたことのある山村浩二氏、またスタジオポノックの代表取締役社長 西村義朗プロデューサーが迎えられたほか、戦後日本のアニメーション黎明期より活躍し日本のアニメーションを形作った代表的アニメーター 小田部羊一氏が特別ゲストとして招聘され、マスタークラスや、「母をたずねて三千里」の上映会で高畑勲氏とのコラボレーションについてトークを行いました。
街は近藤聡乃氏によるメインビジュアルで彩られたポスターやフラッグ、大型看板、ラッピングバスなどで賑わい、日本のアニメーションを祝福していました。
Aftermovie Annecy2019
https://youtu.be/73iXxA6eOLkMIFA(見本市)ジャパンブース
150㎡の空間で合計35点のアニメーション映像や映像インスタレーション、VRやARコンテンツ、アニメーションから派生したゲームといった新たな表現作品を展示しました。
様々な映像の体験を通して、訪れた人は日本のアニメーションの多様性やクオリティの高さ、次世代の表現を感じることができたと思います。
また、現場では熱心に鑑賞するだけではなく、作家へ積極的に質問する姿が見られました。
フェスティバル公式上映
「和田淳特集」
6月10日 和田淳氏登壇「NEW MOTION - Short films」
6月13日 大西景太氏、薄羽涼彌氏、阿部舜氏、折笠良氏登壇「NEW MOTION - Short films」
6月10日 近藤聡乃氏、Sarina NIHEI氏登壇
次世代クリエーターたちの作品を紹介する「NEW MOTION - Short films」「NEW MOTION - Directors」、独自の世界観を持つ和田淳監督の特集上映、文化庁のアニメーター人材育成事業「あにめたまご」で制作された作品がフェスティバル内で公式上映されました。
上映が終了すると作家の元へ観客が集まり、質問を投げかける姿も見られ、
日本のアニメーションに対する関心の高さを感じました。
ヴィヴァルディ「四季」ライブアニメーションコンサート(協力:東京藝術大学COI拠点 / 東京藝術大学大学院映像研究科)
アヌシー城のホールの中で『ヴィヴァルディ「四季」ライブアニメーションコンサート』を行いました。
AI技術により、アニメーションがオーケストラ生演奏に合わせて動くこの画期的なこのコンサートへ、開場前から長蛇の列ができ、多くの市民の方に楽しんでいただくことができました。
「ルパン三世 - カリオストロの城」 野外上映
アヌシー城の門の前にスクリーンを構え、「ルパン3世 - カリオストロの城」野外上映を行いました。上映時には冷たい小雨が降り、外気温は1桁にもかかわらず、多くの市民の方が心から楽しんでくださいました。改めてフランスの皆さんの日本の名作に対する敬意と愛情を感じる上映会でした。
CITIA アーティスティック・ディレクター マルセル氏 取材
CITIA CEO ミカエル氏 取材
文化庁長官 宮田氏と総合ディレクター 岡本氏 取材
また同時期に東京お台場では「第22回メディア芸術祭 受賞作品展」が行われており、同じく「ルパン三世-カリオストロの城」の上映イベントが開催され、声優の島本須美氏がゲストとして登場しました。アヌシーの上映前にも島本氏のコメント映像が上映され、それを見る観客の様子がお台場のスクリーンへ届けられました。まさに東京とアヌシーでの上映コラボレーションとなりました。
さらにメディア芸術祭運営事業者であるBSフジが、同上映含め会期を通してアヌシー2019における日本の取り組みを取材し、「第22回文化庁メディア芸術祭 見る、聞く、感じる。時代(いま)を映す」(7月7日放送)の番組内において紹介しました。
MIFA Campus
「押山清高の作画添削教室 Break the Rules」
多くのフランスの学生が詰めかけ、非常に熱心に講義に耳を傾けました。
作画の基本的かつ重要なポイント、さらに若いからこそできる挑戦など、興味深い内容となりました。
Animation Boot Camp in Annecy 2019 文化庁メディア芸術連携促進事業(協力:東京藝術大学大学院映像研究科)
日本のトップアニメーターである、押山清高氏、りょーちも氏、板津匡覧氏を講師に迎えた作画ワークショップには、フランスの学生22名が参加しました。
CGによる画一的な作画が世界的に行われる中、実際に自分の体を動かすことで動きを理解し、鉛筆で自分なりの作画をするという、アニメーション制作の基礎的かつ不可欠な要素が詰まったレクチャーに多くの関心が寄せられました。
なおこの様子はNHKから取材を受け、日本のみならず中国でもニュース報道されました。
Masterclass
アニメーションの巨匠による講座というこのセミナーへ、大西景太氏、押山清高氏、折笠良氏、Sarina NIHEI氏が登壇し、影響を受けた作家や日本でアニメーションを製作すること、将来的な展望について語りました。
Japan Reception
湖畔を望む素敵な会場でレセプションパーティーを行いました。
会場へは、文化庁長官 宮田亮平氏、東京都産業労働局企画担当部長 武田康弘氏、総合ディレクター 岡本美津子氏、フェスティバルを主催するCITIA CEO ミカエル・マラン氏が駆けつけたほか、今回渡航した19名の作家が挨拶し、東京都からの参加企業6社も紹介されました。
総勢400名近くのお客様が来場し、日本食と梅酒を楽しみながら交流することができました。
Closing Ceremony
映画祭最終日、クロージングセレモニーが Bonliueで行われました。
多くの注目が集まる中、フェスティバルディレクターのマルセル・ジャン氏が受賞作品および受賞者を発表し、盛大に祝いました。
残念ながら日本作品のコンペインは叶いませんでしたが、多数のノミネート作品を通して日本のアニメーションを世界にアピールすることができました。
・受賞&日本ノミネート作品一覧<PDF>
2020年はアヌシーアニメーション国際映画祭60周年を迎える記念の年になります。会期は2020年6月15日〜20日、名誉国のバトンは日本からアフリカ大陸へと渡されました。来年もアニメーションへの熱い情熱を持つ人々が世界中から集まり、活気あふれるフェスティバルが開催される予定です。