第22回文化庁メディア芸術祭 受賞作品上映プログラム 第22回文化庁メディア芸術祭:アニメーション部門、アート部門から受賞10作品を収録。 時代を映し出す文化庁メディア芸術祭のトレンドをアーカイブします。 アート部門 受賞作品 優秀賞 “datum” (2017) 平川 紀道 メディアインスタレーション(編集映像)[1分17秒] 空間、色、時間という異なる概念を、それらが統一された高次元空間において対称的に扱うことで、これまでにない映像表現を実現した作品。 優秀賞 © Rhizomatiks / ELEVENPLAY “discrete figures” (2018) 真鍋 大度/石橋 素/MIKIKO/ELEVENPLAY ダンスインスタレーション(編集映像)[3分] 数学的・集合知的な方法を通して身体表現をつくり出すダンスパフォーマンス。AIと機械学習によって身体像や動きを捉え直し、その数値データと分析結果をコレオグラフィに反映させている。 アニメーション部門 受賞作品 大賞 © Sacrebleu Productions “La Chute” (2018) Boris LABBÉ 短編アニメーション [14分22秒] ダンテ・アリギエーリの『神話 地獄篇』に着想を得た短編アニメーション。天の住人が舞い降りて地上の住人と交わると巨人が誕生した。巨人は地上人を食べ、地上人たちは争い、世界の崩壊が始まった。やがて天上人が地上に墜落し、地獄が誕生する。循環、変容、墜落と再生という壮大なテーマを描く。 優秀賞 © Les Films Sauvage “大人のためのグリム童話 手をなくした少女” (2016) セバスチャン・ローデンバック 劇場アニメーション(日本語版予告/英語字幕)[1分30秒] 19世紀初頭にグリム兄弟によって編纂されたドイツの民話集『グリム童話』に初版から収録されている「手なしむすめ」を、新たに長編アニメーションとしてよみがえらせた作品。ヒロインの少女は悪魔の企みで両腕を奪われ、数奇な運命に翻弄されながらも、不思議な精霊の力に守られて、自分だけの幸せを見出していく。 優秀賞 © BONES・樋口真嗣・岡田麿里/「ひそねとまそたん」飛実団 “ひそねとまそたん” (2018) 樋口 真嗣 テレビアニメーション(日本語版予告/英語字幕)[1分25秒] 「私は、君とソラを飛ぶ。」甘粕ひそねは、航空自衛隊の岐阜基地に勤務を始めた新人。素直すぎて無意識で他人を傷つけるのに疲れ、任期限定の自衛官を選んだ。だが、運命の出逢いが彼女の人生を根底から変える。基地に秘匿された戦闘機に擬態するドラゴンがひそねを選び、大空高く舞いあがったのだ。こうして「OTF(変態飛翔生体)」であるドラゴンに乗り込む飛行要員が、ひそねの仕事になった。国家的な命運を左右するとも言われるドラゴンには、はたしてどんな秘密が隠されているのだろうか……。 優秀賞 © 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会 “ペンギン・ハイウェイ” (2018) 石田 祐康 劇場アニメーション(英語版予告)[1分30秒] 小学四年生のアオヤマ君にとって、何より興味深いのは歯科医院のお姉さん。ある日、海のない住宅地に突如ペンギンが現れ、そして消えた。アオヤマ君は、お姉さんの投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃。 お姉さんとペンギンの関係とは?この謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。 優秀賞 © 令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会 “若おかみは小学生!” (2018) 高坂 希太郎 劇場アニメーション(英語版予告)[1分30秒] 祖母の温泉旅館・春の屋で若おかみの修業をしながら暮らす小学6年生の女の子・おっこ(関織子)。ユーレイのウリ坊や不思議なトモダチに助けられながら、おっこは少しずつ成長していく。原作でもテレビシリーズでも描かれなかった両親とおっこの物語。 新人賞 © STUDIO PONOC “透明人間” (2018) 山下 明彦 短編アニメーション [13分13秒] 古ぼけたアパートに暮らす、ひとりの青年。着替えて、歯をみがき、めがねをかけて、いつものとおりに家を出る。しかし、何かが違った。彼は、透明人間だった!だれも彼のことが見えない。透明人間はついに重力からも見放され、次第に空高く舞い上がっていく。このままだと消えてしまう、いのちも―。 新人賞 © Amir Houshang Moein “Am I a Wolf?” (2018) Amir Houshang MOEIN 短編アニメーション [8分] 「オオカミと7匹の子ヤギ」という劇を演じる生徒たち。彼らは皆、自分に役があり、現実と劇との境を見失うほど役に入り込んでいる。そんな中、最終的に敗北に喫するオオカミを演じた少年は孤独とイラ立ちを感じていた。少年は自分の役にのめり込み過ぎていたのだ。若干、カオスな空間が生まれつつも、最後には少年の隣に立つ他の生徒や友達たちの存在が彼をこの空気から連れ出してくれる。 新人賞 © Anastasia Makhlina “The Little Ship” (2018) Anastasia MAKHLINA 短編アニメーション [5分31秒] 少女とその友達である象をめぐるアニメーション作品。彼らはいつも一緒。しかし子ども時代は遅かれ早かれ終わりを告げる。