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JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL

メディア芸術海外展開事業日本のメディア芸術を世界へ

ANIMATIONISM -All Creativity Welcomed-


現在日本のアニメーションシーンでは、“多種多様なユニークなものが一同にある状態”となっている。大人から子供までのあらゆるターゲット向けの作品や、たくさんのテーマやモチーフが取り上げられ、アートとしての表現から、エンタテインメント、そしてVRなどの新しいメディアでの表現まで、各々の制作者たちが野心的にチャレンジを続け、オーディエンスもそれを歓迎している。まさにそれが日本の『ANIMATIONISM』である。
このプログラムでは、日本で毎年開催されている「文化庁メディア芸術祭」の 第23回アニメーション部門で受賞した短編アニメーションやその作者の作品の中から、とりわけ制作者のアイデアや個性が光るもの、新しい表現への挑戦が行われているものを取り上げた。
生命の誕生と喜び、人類の歴史をわずか3分43秒に凝縮した「サイシュ~ワ」、マンガ、アニメ文化とpersonal historyをコミカルに表現した「ある日本の絵描き少年」、意識と無意識の関係を軽妙に描く「ゆめみのえ」、ダイナミックかつスケール感溢れるドローイングアニメーション「CASTLE」、細部まで意識の行き届いたクラフトワークが光る「ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~」の5本が、その内容である。
個々の作品のCreativityと、それらを包含する日本のアニメーションシーンのエネルギーを感じていただけたら幸いである。

キュレーター 岡本美津子


審査委員会推薦作品
サイシュ~ワ
© 2019nuQ
『サイシュ~ワ』(2019)
ぬQ
短編アニメーション[3分43秒]

一郎とふたこの物語の最終話。花火の破片を集めて作られた女「ふたこ」は、今夏の花火大会で体が弾ける運命を持つ。一郎と過ごして花火 としての役割を忘れたふたこは、特別な儀式で強制転生する。この世でもっとも短い生命の輝きをクローズアップした作品。

優秀賞
ある日本の絵描き少年
© Nekonigashi Inc.
『ある日本の絵描き少年』(2018)
川尻 将由
短編アニメーション[20分]

子供が描く絵から大人が描く絵へ、絵の成長に合わせヴィジュアルを変化させながら、漫画家を目指す男の半生を語る。実験的アニメーション&モキュメンタリー作品。

審査委員会推薦作品
ゆめみのえ
© Yamamura Animation
『ゆめみのえ』(2019)
山村浩二
短編アニメーション[10分10秒]

ケイサイは、人や動物を生き生きと、とても見事に描く絵師だった。ある日鯉の絵を描いていると眠ってしまい、鯉になった夢を見る。楽しく泳いでいた鯉は、釣り人に釣られて城に運ばれていく…
鍬形蕙斎の絵手本「略画式」と上田秋成「雨月物語・夢応の鯉魚」に想を得て、 蕙斎を主人公にアニメーション化した。

審査委員会推薦作品
CASTLE
© Miyajima Animation
『CASTLE』(2019)
宮嶋 龍太郎
短編アニメーション[5分]

戦国時代、多くの命が失われた。城の設計者は、武士が人間性を取り戻す場所として茶室の可能性を見出す。

ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~
© TAIYO KIKAKU Co., Ltd. / EXPJ Ltd.
『ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~』(2013)
八代健志
短編アニメーション[25分]

ある冬の夜、「少年」は雪ダルマの「ノーマン」と旅に出た。ノーマンが少年に教えてくれたことを確かめるために。
―フクロウは雪明りの中、音もなく羽ばたくっていうこと―
―オーロラは空一杯にゆらめく、空のカーテンだっていうこと―
さまざまな出会いや発見を通じて、自分を見つめ直しながら成長していく少年の冒険物語。

優秀賞
劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX
© TAIYO KIKAKU Co., Ltd. / EXPJ Ltd.
『劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX』
(日本語版予告/英語字幕)(2019)
八代健志

いたずらばかりしている小ぎつねの、ごん。ある日、兵十が川で獲ったウナギを、ごんはいたずら心で逃がしてしまう。それは病気の母に食べさせるための大事なウナギだった。母が亡くなり落ち込む兵十をみて、ごんは償いをするのだが…
新美南吉原作「ごんぎつね」に新たな解釈を加えて制作したストップモーションアニメーション作品。

第23回受賞作品の詳細はこちら

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